「特にお金を使っているわけではないけど、気が付いたら口座残高が減っている」「なかなかお金が貯まらない」「気がついいたら、買う予定のなかったものを買っていた...」
こんな時、ありませんか? 稼いだお金を自己投資や自分の好きなことに使うのなら良いですが、浪費をしてしまうのはもったいないですよね。
今回は、そんな浪費を防ぐための、カードと浪費の心理学についてご紹介します。
クレジットカードを利用すると浪費してしまう原因に、《条件付けと連合》という概念があります。 この条件付けと連合を説明する研究があります。 それは、男性を2つのグループに分けて、新車の広告を見てもらった実験です。
片方のグループには、魅惑的な女性モデルが写っている新車の広告を、もう片方のグループには、モデルがいない同じ車の広告を見てもらいました。すると、モデルが写っている広告を見た男性グループは、その車を速さ・魅力・高級感・デザインの点で高く評価しました。
このように、《条件付けと連合》とは、ある対象の印象の良し悪しが、もう片方のものと直接の因果関係がなくても、判断に影響を与えてしまう、というものです。
先ほどの実験では、モデルの魅力度と車の機能は全く関係がありませんが、無意識のうちに車の機能とモデルの魅力度を関連付けさせてしまっていたのです。
では、本題のクレジットカードと浪費については、どんな条件付けがあるのでしょうか。
クレジットカードがあるおかげで、私たちはすぐに製品やサービスを手に入れるというポジティブな感情を得ることができます。 その一方で、支払いというネガティブな感情は何週間も先に延ばすことができます。 その結果、クレジットカードそのものや、カードを表すマーク、ロゴ、シンボルなどを、消費のマイナス面よりプラス面と連合させているそうです。
この真偽を確かめた研究があります。その研究では、米国の研究チームが1000戸の家庭を対象に、6か月にわたって食料品の買い物を追跡調査しました。また、様々な要因を調整したのち、支払い方法と消費の関係について調べました。
結果は、クレジットカードで支払いをした場合には、平均29%も多くのお金を使うことが分かりました。また、その購入品もケーキやチョコレートといった健康的でない食品を衝動買いしやすくなることが分かりました。 このように、クレジットカードを使うことで、無意識に消費のポジティブな面を連想させ、欲求が掻き立てられます。そして、普段なら買わないようなものを買ってしまうのです。
この対策は、現金払いにするか、「もし現金で払ったとしたら、この商品を買うか?」と一度自分に問いかけてみる、ということができるので、良かったら試してみてください。
そして、最近注目を浴びている非接触型決済ですが、その行き着く先は、膨らむウエストと細る預金残高かもしれません。
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