「職場で昇進したい」 、「禁煙をしたい」 、「筋トレをしたい」 、「ダイエットをしたい」、 「すぐに感情的になる癖をなくしたい」こうした思い、お持ちじゃないですか?
こうした目標も、目の前の誘惑に負けてしまったり、行動が続かなかったりと、つらい思いをしている方も多いのではないでしょうか。
人はいわゆるモチベーションを高めることで、誘惑に打ち勝ち、目標達成の可能性を高めることができます。ところが、モチベーションアップと言われると、ほとんどの人が怪しいものを想像するし、プロのスポーツ選手でも正しいモチベーションの維持ができていないことも結構あるそうです。
今回は、こういった目標を叶えるために、何となく続けてしまっている悪習慣を辞め、上手な計画を立てる心理的テクニックについて、ご紹介します。
◇悪習慣を断つ
”意志力で禁煙を成功させることはできない”
禁煙に関するある実験をご紹介します。 被験者は、3週間の禁煙に成功した元禁煙者たちです。この被験者は、いわゆる禁断症状もすでに克服していましいた。 彼らに対して、2つの質問をし、その答えに応じて、その後禁煙を継続できたかどうかを追跡調査した、という実験です。
1つ目は「将来も禁煙を継続できる自信がありますか?」という質問、2つ目は「今後なるべく、たばこの誘惑のある状況を避けようと思いますか?」という質問でした。
その質問の結果、禁煙を続ける自信が強い人ほど、誘惑のある状況に立ち向かう傾向にあることが分かりました。つまり、禁煙を続ける自信がある人ほど、誘惑を避けようとせず、自分の意志(モチベーション)に頼ろうとしました。
また、 数ヶ月の追跡調査の結果は、「たばこの誘惑のある状況を避ける」と答えた(より自信のなかった)被験者の方が、禁煙を続けられたのです。
つまり、自分にとって悪い習慣を辞めるためには、”モチベーションを保つ”ことよりも、”いかに誘惑を避けるか”を考えて計画を立てた方が良いということです。
◇「やめたいこと」より「やりたいこと」を考えよ
「シロクマのことだけを考えてはいけない」 こう言われると、それまでシロクマのことを考えていなくても、シロクマが頭から離れなくなりませんか?これはある思考をしないように努力すると、逆に頭の中はその思考でいっぱいになります。 実はこの現象、「思考」だけでなく、「行動」にも当てはまるそうです。ある行動を「やめよう」と思うことは、その行動に対する衝動を強めることはあっても、やめることはありません。
では、どうすればよいか。行動を変えるために「やめたいこと」を考えるのではなく、「やりたいこと」「やるべきこと」を考える、つまり「やめたい」ではなく、「何をするか」を考えることが良いです。 具体的には、もしあなたが短気を起こしがちで、すぐにカッとする癖を直したいと思っているとしたら、「カッとしないようにする」ではなく、「怒りがこみ上げたら、まずは3回深呼吸をする」というように具体的な行動を目標にしましょう。
また、この行動目標を立てる計画術は、実行率が300%高まることが分かっています。
◇実行率が300%高まる計画術
その計画術は、心理学で効果が実証された「if-thenプランニング」です。
「if-then」とは「もしこうなったら、こうする」という意味で、事前に「いつ」、「何を」やるか、をはっきりと決めておく、ということです。例えば、「16時になったら、椅子に座り本をを読む」と決めておく計画法です。 これを実証したのは、ペンシルバニア大学のアンジェラ•ダックワース教授による実験です。
その実験とは、「運動を習慣化したい」という目標を持つ人が被験者となり、半分の被験者がこの「if-thenプランニング」を行いました。具体的には、以下のように目標と計画を立てました。
①(if)もし、月曜日•水曜日•金曜日になったら、
②(then)仕事の前に1時間ジムで汗を流す
残りの被験者には、if-thenプランニングのテクニックを伝えずに普通に目標設定をしてもらいました。
その結果、数週間後、if-thenプランニングをした被験者の91%が運動を習慣化することに成功しました。それに対して、普通に目標設定をした被験者は31%に留まりました。
まとめると、悪い習慣を辞めたいときは、「やめたいこと」よりも、その代わりに「やりたいこと」を考え、その「やりたいこと」をif-thenプランニングすることで、やめられる確率が格段に上がります。 ぜひ、試してみてください!
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