「引き受けたくない頼み事を、引き受けてしまって、後々後悔する」、
「なんかいつも良いように使われているような...」こんなことを感じたことはありませんか?
心の優しい人ほど、このような気持ちになりやすいものです。ですが、自分の時間は有限なので、時間と労力は自分のためや、自分にとって大切な人に割きたいものですね。
そんなときにされる頼まれごとは、厄介です。仲の良い友人なら良いですが、何となく心のどこかで「良いように使われてるな~」と感じてしまう相手からの頼まれごと、できれば断りたいですよね。
今回は、そんな頼まれごとを、引き受けてしまうメカニズムとその対策をご紹介します。
この引き受けてしまう現象の背景には、「段階的要請法」というものがあります。
これは、”最初に小さい要求を飲ませ、それから関連する大きな要求をすると、相手が断りにくくなる”という要請法で、お願い事をする人が、知ってか知らずが、このテクニックを使っている可能性があります。
これを発表したのは、1966年、スタンフォード大学のジョナサン・フリードマンの研究です。
その実験とは、 仕掛け人が、「ボランティアを自称して、カリフォルニアの住宅街を回り、一軒一軒にある依頼をする 」という内容です。その依頼は、『家の前の庭に「安全運転をしよう」と書かれた看板を設置させてほしい』というもので、この看板は大きく、素敵な家の外観は看板でほとんど隠れてしまいます。
ここから2つのグループに分けて、この依頼に承諾する確率の違いを調べました。ひとつめのグループでは、何もせず、そのまま依頼しました。結果は、承諾率17%でした。もう片方のグループの承諾率は、なんと76%。実は、このグループには、事前にある仕掛けをしていました。
それは、この依頼をする2週間前に別の依頼をしていました。その内容は、別のボランティアが家を訪ね、『「安全運転をするドライバーになろう」と書かれた小さなシールを窓に貼ってほしい』というものでした。つまり、2週間前に安全運転に関する些細な頼み事を、何の気なしに承諾したことで、内容が似ている別の大きな依頼も承諾してしまった、ということです。
このように小さな要求を通し、その後に大きな要求に承諾してもらう、これを「段階的要請法」の言います。
皆さんもつい、「このくらいのお願いなら...」と引き受けてしまうことはありませんか?
相手に悪意はなかったとしても、それを引き受けてしまうことで、あなたは次の大きな依頼を断りにくくなっています。
そんなときは丁寧に断ることも大切ですね。
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